ここに消費者起点型の流通が求められている実態をみることができる。
しかし、建値制が崩壊した時には、比較購買の基準であった“標準小売価格”が消滅し、オープンープライス制のようなさらに強烈な価格競争が展開されることは必至である。
小売業がその価格競争に耐えるためには、川上と川下との連結によりローコスト・マネジメントを強化し、新商品開発を推進させることで差別化を図っていく以外に道はない。
小売業に課せられた最重要課題は、川上とのパートナーリングの形成により、消費者起点型の流通を構築し、顧客満足最大化を目指していくことではないだろうか。
いずれにせよ流通の激動期は、ディスカウント・ビジネスの新たな飛躍への絶好のチャンスでもある。
ディスカウント・ビジネスの行方歴史からみたディスカウント・ビジネス小売業態の変革は、消費者ニーズの変化への対応である。
しかも、その時点で消費者のライフスタイルに最もジャストーフィットしていなくては業態は成立しない。
そして、これまでの小売業態の導入期には、コンビニエンスストアを除きほとんどが現状の価格破壊から始まっている。
かつて、百貨店はその総合品ぞろえに加え、催事という方法で多くの商品を低価格で販売する安売り屋の側面もみられた。
現在の催事、バーゲンセールはその名残であり、わが国の第一次流通革命は百貨店の価格破壊によって始まったとも言える。
だが、業態の成熟はコストの増加との戦いであり、商品政策に大きな影響を与えることになる。
百貨店は売場面積が大きいがゆえに、地価の高騰とともに商品のグレードアップにより粗利益率を向上せざるを得なかった。
この現象は、現在のGMS(大手総合スーパー)にも言えることであり、小売業態はすべてこの試練をライフサイクルのように経験しているのである。
また、百貨店のGMS化は、生活必需品をみるとGMSに匹敵するかそれ以下の価格政策を意識的に行い、かつてのスーパーマーケットの商品構成と粗利益のミックスを思わせる。
こうしたコストアップからの業態開発は、消費者ニーズへの適合ではなく、企業の都合であると指摘できる。
日本のディスカウント・ビジネスは、これまで住居関連商品を中心に、際物的商品を売ることからスタートしている。
つまり、質屋流れの商品やバック商法にみられるような“闇ルート”からの商品調達、さらには欠陥商品まで売られていた。
小売業態の構成要因である価格と商品構成における科学的近代商法など存在しなかったのである。
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